足裏の痛みにも繋がる長母趾屈筋腱
こんにちは。
やまぐちスポーツ整骨院です。
バレエダンサーは、つま先を伸ばすために足裏の筋肉を酷使します。
そのため、ケアが不足したり、使い方を間違えてしまうと、足裏が痛くなることがあります。
バレエダンサーでは、土踏まずの裏あたりが痛くなる方が多いです。
足裏には、多くの筋肉や腱があり、それらが複合的に関与しあうことでつま先を伸ばしますが、この土踏まずの痛みに関係するのが「長母趾屈筋」「長母趾屈筋腱」です。
長母趾屈筋・腱とは?
長母趾屈筋は、ふくらはぎの深いところ(腓骨の後面)にある筋肉で、母趾を動かす力を生み出します。
筋肉から伸びて、その力を伝えるために腱になって足首・足裏を通り、母趾の先の骨まで続く部分が長母趾屈筋腱です。
長母趾屈筋・腱は、足首の底屈(つま先を伸ばす)、親指の底屈(曲げる)、足の回外(内返し)に関わります。
バレエでは、繊細な足の動きが求められますが、この長母趾屈筋・腱がうまく機能していないと、さまざまな弊害が生じます。
そして、痛みに繋がることもあります。
長母趾屈筋・腱が硬いと・・・
長母趾屈筋が短縮・緊張し、柔軟性を失うと硬い筋肉となり、正常に伸び縮みできなくなります。
母趾の屈曲と足裏のアーチ保持に関わる筋肉のため、以下のような弊害が起きます。
・母趾が真っ直ぐに軸に乗らない
・床を押し返しにくい
・内側アーチが沈む(過回内)
・小趾側に重心が逃げる
・ふくらはぎの奥の張り感やだるさ
また、この筋肉が硬くなることで、繋がる腱にも影響が出ます。
腱自体に負荷がかかりすぎている場合もあります。
本来腱は、腱鞘の中をスムーズに滑走して動きます。
しかし、腱に負担がかかりすぎると、しなやかに伸び縮みせず、母趾や足首の動きを妨げます。
長母趾屈筋腱が硬い場合、以下のような症状が出やすくなります。
・ルルヴェやポワントで母趾の付け根や足裏が痛い
・母趾を曲げる・反らすとつっぱり感
・内くるぶしの後ろがゴリゴリする、ひっかかる
・足裏や母趾がだるく疲れやすい
また、硬い腱は、ルルヴェやジャンプのたびに摩擦を起こしやすく、腱鞘炎の原因にもなります。
長母趾屈筋腱炎
長母趾屈筋や長母趾屈筋腱が硬くなることで、炎症が起き、痛みが出るのが長母趾屈筋腱炎です。
とくに、母趾の付け根から内くるぶし後ろにかけて痛みや違和感が出ます。
合併症として起こりやすい障害
①足底筋膜炎
長母趾屈筋腱は、足裏の筋膜と連動しています。
そのため、長母趾屈筋腱が硬くなると、それに伴って足底筋膜も硬くなりやすくなります。
足底筋膜炎についてはこちらで詳しく解説しています。
②アキレス腱炎
長母趾屈筋が硬い人は、ふくらはぎ全体の筋肉も緊張しやすくなります。
ふくらはぎの筋肉の腓腹筋やヒラメ筋が硬くまることで、アキレス腱や腓腹筋の付着部が炎症を起こすことがあります。
アキレス腱炎は、ジャンプの着地や深いプリエなどで痛みが出やすくなります。
アキレス腱炎についてはこちらで詳しく解説しています。
③種子骨障害
種子骨障害とは、母趾の裏側にある「種子骨」に炎症や損傷が起こる障害です。
種子骨は、母趾の裏側にある小さな丸い2つの骨ですが、床からの衝撃を和らげたり、母趾を曲げる腱、つまり長母趾屈筋腱の動きを助ける役割があります。
長母趾屈筋腱が硬くなったり、負荷がかかり続けることで、種子骨もダメージを受けやすくなります。
また、長母趾屈筋腱が硬くなる使い方や立ち方は、母趾球に体重が乗りすぎているケースが多いため、種子骨にも大きな負担がかかっていることが多いです。
バレエで見直すポイント
①母趾の軸
母趾が過回内していると、母趾の付け根が押しつぶされて、内側アーチが落ちてしまいます。
その結果、長母趾屈筋腱に過度な負荷がかかり、短縮・肥厚しやすくなります。
また、短縮することで、母趾が捻れるため「カマ足」になりやすくなります。
まずはリリースして、母趾の軸が安定するようにしましょう。内くるぶしあたりのリリースも大切です。
そして、小趾側の内在筋の強化も目指し、母趾側にかかる負担を減らしましょう。
②ふくらはぎの筋肉のバランス
長母趾屈筋はふくらはぎの奥の深いところにあります。
浅層の腓腹筋やヒラメ筋が硬いと深層に余計なストレスがかかり、長母趾屈筋も余分に緊張してしまいます。
小趾側に重心が乗りすぎている場合も、長母趾屈筋に過度な負荷がかかりやすくなります。
長母趾屈筋のストレッチは、母趾を伸展させ、足首を背屈させることによって行うことができます。
③無理やり甲を出す
無理に押したり、曲げたりして甲を出そうとすると、どうしても「カマ足」になりやすくなります。
カマ足の方向に力を入れて足を伸ばすと、小趾側の筋肉を使わず、母趾側の筋肉が過度に引っ張られることになります。
そのような伸ばし方を続けていると、母趾が過回内し、長母趾屈筋腱に負担がかかります。
長母趾屈筋腱が硬くなると、アーチが崩れてしまい、その結果土踏まずが落ち、ターンアウトがしづらくなる原因になります。
また、アーチが乱れることで、ジャンプなどの衝撃を吸収できず、痛みに繋がる可能性もあります。
甲出しは、ストレッチも大切ですが、無理やり行うのではなく、どちらかというと、内在筋を鍛えて甲を育てる意識で取り組みましょう。
さいごに
バレエでは、足部の障害が多いです。
アクシデントなどによって起こることもありますが、やはり日頃の使い方の癖による影響が大きいと思います。
痛めてしまう前に、日常的に少しケアを取り入れるだけでもリスクは軽減できます。
そして、もし痛めてしまった場合には早めに対処することで、復帰までの期間が短くなります。
なるべく怪我のないダンサー生活が送れるためにも、自分の体は大切にしてくださいね。
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