バレエダンサーの有痛性外脛骨
こんにちは。
やまぐちスポーツ整骨院です。
みなさんは、足の骨が人より多い人がいることをご存知ですか?
え、そんなことがあるの?と驚く人もいると思いますが、それほど珍しいことではありません。
土踏まずから足の甲にかけて舟状骨という骨がありますが、この舟状骨ができる過程で過剰にできた骨を「外脛骨」と言います。
人の身体は、成長していく過程でまずは軟骨の塊ができ、そのあと内部が骨化していきます。
そしてその過程の中で、近くの骨同士が癒合し、ひとつの骨となる骨があります。
本来ならひとつになるはずであった舟状骨が、別々に分かれたままになってしまったことで、舟状骨の隣に外脛骨ができてしまうのです。
しかし、これは15%の人があるとも言われており、これ自体は珍しいことではありません。
痛みが生じないこともあり、その場合は問題ありません。
問題は、痛みを生じるケースです。
この外脛骨に痛みがあるものを「有痛性外脛骨」と言います。
本日はその有痛性外脛骨について、詳しくみていきたいと思います。
有痛性外脛骨とは?
先ほど述べた通り、足関節にある過剰な骨「外脛骨」に痛みが出る症状のことを指します。
この過剰な骨は、男性よりも女性に多いとされています。
舟状骨には、ふくらはぎの後脛骨筋という筋肉が付着しています。
バレエなど、ふくらはぎを多く使う運動を繰り返すことによってこの筋肉が引っ張られ、外脛骨周辺に痛みが生じることがあります。
通常は目立ちませんが、人によっては触れるほど突出していることもあります。
バレエにおいては、
・ルルベ
・トゥシューズで立つ動作
・無理なターンアウト
・過剰な甲出しのストレッチ
などによって誘発されることがあります。
どんな症状が出るのか
有痛性外脛骨の症状としては、足の内側(土踏まずの上部)に痛みと腫れが出ます。
赤くなることもあります。
また、膨らんだ部分を押すと痛みが出ます。
歩行時に痛みを訴える方が多く、酷くなると寝ているときにも痛みが続くこともあります。
バレエにおいては、
・足の内側が常に痛い
・ルルベのとき骨があたる感じがする
・トゥシューズで立つときに痛い
・長時間踊ると痛い
といった症状が出ます。
何が原因?
①オーバーユース
バレエでは足を酷使しますが、とくにふくらはぎの筋肉は疲労が溜まりやすい部分でもあります。
ふくらはぎの筋肉のひとつ、後脛骨筋が繰り返し引っ張られることによって、その付着部である舟状骨に炎症がでます。
②捻挫が引き金となる
捻挫などの外傷によって、痛みが発生する場合があります。
とくに外脛骨が突出している場合、負荷がかかりやすいため、捻挫によってその周辺の組織が損傷しやすくなります。
最初は捻挫であったとしても「捻挫だから大丈夫」と治療をせずに練習を続けてしまうと、それが有痛性外脛骨になってしまう場合があります。
一度痛みが出てしまうと、治療に時間がかかってしまいます。
捻挫は軽症の場合甘くみてしまいがちですが、放置せずにしっかり治療しましょう。
捻挫についてはこちらで詳しくご説明しています。
③誤ったターンアウト
外脛骨は土踏まずの内側にあるため、足首が内側に倒れる(過回内)ことによって負担が増えます。
足首を過剰に捻って見せかけのターンアウトをしていると、土踏まずは落ちてしまい、外脛骨にストレスがかかってしまいます。
足の内側にある外脛骨は、アーチを支える重要な部分のひとつです。
そのため、無理なターンアウトで足のバランスが崩れると、痛みが生じやすくなります。
④自己流の甲出し
バレエダンサーにとってしなやかで美しい足先は憧れでしょう。
しかし、ここで焦ってしまい無理に手で甲を押さえつけるようなストレッチを続けてしまうと、外脛骨周辺に負担がかかります。
これが痛みの原因に。
後脛骨筋にも負担がかかってしまうため、無理やり甲を伸ばすのはやめましょう。
治療と対処法
①まずは負担を減らす
痛みが出ている場合、それは体からのSOSです。
ここで我慢すれば踊れるからと言って、体の声を無視してはいけません。
痛みがあるときは、ルルベやジャンプを減らしたり、トゥシューズを履くのをやめておくなど、なるべく負担を減らすように心がけましょう。
②テーピングやサポーターをする
テーピングによって土踏まずを上げることで、外脛骨にかかる負担を減らします。
またサポーターを使うことである程度固定されるので、足首が安定します。
痛みがでているときには、こういったものでサポートして日常的にも外脛骨周辺にかかるストレスを減らすと、痛みが軽減できる可能性があります。
③筋肉の調整
有痛性外脛骨は、ふくらはぎ、とくに後脛骨筋を緩めることで痛みが軽減することがあります。
この筋肉はバレエでは非常によく使われる筋肉のため、過剰な緊張をしている人が多いです。
日頃から、使った筋肉をケアする時間を少しでも取り入れるようにすると、怪我のリスクを減らせます。
疲労が溜まりやすくなる忙しいときほど、意識的に時間を取ってくださいね。
④足のアーチの強化
テーピングやサポーターは筋肉の代わりの役割をしてくれます。
しかし痛みが落ち着いてそれを取ってしまうと、また同じ症状を繰り返してしまうことがあります。
そうならないためには、しっかり自分の足を鍛えることが大切です。
土踏まずを落とさないで踊れるように、ターンアウトの見直しや、足裏の内在筋のトレーニングを行いましょう。
まとめ
一ヶ月以上痛みが続く場合は、整形外科や整骨院でしっかりと治療をすることが重要です。
症状が酷くなってしまうとそれだけ治療が難しくなったり、時間がかかってしまうため、早めに治療することをおすすめします。
やまぐちスポーツ院では、専門家がサポートさせていただきますので、お悩みの方はぜひ一度お問い合わせください。
痛みのないバレエライフのお手伝いができるよう、皆さまの力になれたらと思います。
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