鵞足炎とは?
こんにちは。
やまぐちグループ整骨院です。
「膝の内側が痛い」「ランニングをすると膝の内側がズキズキする」「階段の上り下りがつらい」……。
このような症状でお悩みの方は、『鵞足炎(がそくえん)』の可能性があります。
鵞足炎はスポーツをしている方に多いですが、実は日常生活や仕事で膝に負担がかかる動作をしている方にも起こることがあります。
初期の段階では違和感程度でも、無理を続けることで痛みが強くなり、運動だけでなく歩行にも支障をきたすケースも少なくありません。
今回は、そんな鵞足炎について詳しく解説していきます。
鵞足炎とは?

鵞足炎とは、「鵞足(がそく)」と呼ばれる膝のお皿から内側へ斜め下に5~7cmほど下がった部分に炎症が起こる疾患です。
鵞足には、太ももの内側から伸びる3つの筋肉「縫工筋(ほうこうきん)」「薄筋(はっきん)」「半腱様筋(はんけんようきん)」の腱が付着しています。
この部分には、腱と骨が擦れないようにクッションの役割を果たす「滑液包」があります。
しかし、繰り返し負担がかかることで、腱や滑液包に炎症が起こり、膝の内側に痛みが現れてしまいます。
特に、ランニングやジャンプ、方向転換を繰り返すスポーツで発症しやすく、陸上競技、サッカー、野球、バスケットボール、テニスなどを行う方に多くみられます。
主な原因
鵞足炎の原因は一つではなく、複数の要因が重なって起こることがほとんどです。
①オーバーユース(使いすぎ)

最も多い原因が、膝の使いすぎです。
長距離ランニングや部活動、トレーニング量の急な増加などによって膝周囲に繰り返し負荷がかかると、腱と骨の間で摩擦が起こり炎症につながります。
「大会前で練習量が増えた」「運動を再開したばかり」というタイミングで発症するケースも珍しくありません。
②筋肉の柔軟性低下
太ももの裏側(ハムストリングス)や内ももの筋肉、お尻の筋肉が硬くなると、鵞足部への牽引力が強くなります。
柔軟性が低下した状態で運動を続けることで、腱に過剰な負担がかかり炎症を起こしやすくなります。
③股関節の可動域不足
股関節の動きが硬いと、歩行やランニング時に膝へ負担が集中します。
特に膝が内側に入りやすくなり、鵞足部の腱が繰り返し引っ張られることで炎症が起こります。
股関節の柔軟性を高めることで、膝への負担を軽減できます。
④合わないシューズ・インソールの着用
足に合わないシューズやインソールを使用すると、足や膝の動きが乱れ、膝の内側に余計な負担がかかります。
特にクッション性の低いシューズやサイズ・形状が合わない場合は、着地時の衝撃やねじれが増え、鵞足部に炎症が起こりやすくなります。
自分の足に合ったシューズやインソールを選ぶことが大切です。
主な症状
鵞足炎では、次のような症状がみられることが多いです。

・膝の内側を押すと痛い
・ランニング中や運動後に痛みが出る
・階段の昇り降りで膝の内側が痛む
・立ち上がるときに違和感がある
・正座やしゃがみ込みで痛みが出る
膝関節そのものではなく、少し下の内側を押すと痛みが強くなるのが大きな特徴です。
「少し痛いだけだから」と我慢しながら運動を続ける方も少なくありません。
しかし、炎症が長引くと痛みが慢性化し、パフォーマンスの低下や日常生活への支障につながることがあるので注意が必要です。
初期は運動後だけ痛みを感じる程度ですが、悪化すると歩行中や安静時にも痛みが続くことがあります。
また、痛みをかばうことで反対側の膝や腰、股関節にも負担がかかり、新たな不調を招く可能性もあります。
違和感を感じた段階で適切なケアを始めることが重要です。
対処方法
①運動後のみ10分程度アイシング
練習や試合後は、鵞足部を10分程度アイシングし、炎症を抑えましょう。
運動直後は腱や滑液包に微細な炎症が起きやすく、早めに冷却することで痛みの軽減につながります。
ただし、長時間のアイシングは血流を低下させ、組織の回復を妨げる可能性があるため、冷やしすぎには注意が必要です。
② 患部は触らず、関連する筋肉をマッサージする
痛みがある部分を強く押したり揉んだりすると、炎症を悪化させることがあります。
マッサージを行う際は、膝ではなく太ももの前後(大腿四頭筋・ハムストリングス)、内もも(内転筋)、お尻(中殿筋・大殿筋)など、
膝に負担をかける筋肉を中心にマッサージや筋膜リリースを行いましょう。
筋肉の柔軟性を改善することで、鵞足部へのストレスを軽減できます。
③ ハムストリングス・内転筋のストレッチは避ける
ハムストリングスや内転筋を強く伸ばすストレッチは避けましょう。
「筋肉が硬いから伸ばした方がいい」と考え、ハムストリングスや内転筋をストレッチする方は少なくありません。
ハムストリングスや内転筋は鵞足部に付着しています。
しかし、これらの筋肉を伸ばすことで鵞足部の腱にも伸長刺激が加わり、炎症や痛みを誘発させる可能性があります。
まずは炎症を落ち着かせることを優先し、痛みが軽減してから、無理のない範囲でストレッチや筋力トレーニングを段階的に再開することが大切です。
⑤シューズやフォームの見直し

ランニングやスポーツ動作に問題がある場合は、フォームを改善することで再発予防につながります。
シューズが合っていないこともあるため、必要に応じて見直すこともおすすめです。
まとめ
鵞足炎は、膝の内側に痛みが現れるスポーツ障害の一つですが、スポーツによる使いすぎだけでなく、
筋肉の柔軟性の低下や姿勢・身体のバランスの乱れなど、さまざまな要因が関係しています。
痛みを我慢して運動や日常生活を続けると症状が悪化し、回復までに時間がかかることもあります。
鵞足炎は日頃のケアによって予防できるケースも多くあります。
膝の内側の痛みを我慢していると、症状が長引いたり、別の部位へ負担が広がったりすることもあります。
早期に適切な対応を行うことで症状の悪化を防ぎ、スポーツや日常生活への早い復帰につなげることが期待できます。
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