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野球で起こる肩の障害「エクスターナルインピンジメントとインターナルインピンジメント」

こんにちは。

やまぐちスポーツ整骨院です。

 

当院では、野球選手や野球部の学生のご来院が多いですが、野球といえば、やはり肩の痛みでいらっしゃる方が多いです。

 

肩の痛みの中で代表的な障害が、「インピンジメント症候群」です。

 

インピンジメントとは、「衝突」という意味です。

肩はさまざまな組織が集まる関節のため、インピンジメントが生じやすい場所です。

 

 

肩関節の構造

 

肩関節は、上腕骨の「骨頭」と、肩甲骨の「関節窩」からなる球関節です。

※関節窩とは、肩甲骨のくぼみの部分のことです。

 

人間の関節の中でもっとも可動域が大きく、そのため不安定な関節ともいえます。

 

上腕骨頭が、肩甲骨の関節窩にはまる構造になっていますが、関節窩は小さく、骨自体のかみ合わせは浅くなっています。

関節窩の周囲には、関節唇という軟部組織があり、受け皿を深くし、安定化の役割を担っています。

 

さらに、肩関節周辺には、関節包、関節上腕靱帯、肩峰下滑液包など、多くの靱帯や組織が集まっています。

その他にもローテーターカフ、上腕二頭筋長頭腱、肩関節周辺筋などが安定化の役割をしています。

 

これらが正常に機能していれば、肩はスムーズに動きますが、

 

・投球の繰り返し

・筋力バランスの崩れ

・肩甲骨の可動性低下

・関節の不安定性

 

 

などが起こると、組織が挟み込まれやすくなります。

 

この骨、靱帯、腱、軟部組織などがなんらかの原因によって衝突し炎症や痛みが起こるのが、「インピンジメント症候群」です。

 

 

衝突が

 

・肩関節の外側で起こるタイプ

エクスターナルインピンジメント

・肩関節の内部で起こるタイプ

インターナルインピンジメント

 

があります。

 

 

エクスターナルインピンジメント

 

エクスターナルインピンジメントは、一般的に「肩のインピンジメント症候群」と言われる場合に指すことが多いタイプです。

 

肩を挙上したときに、肩峰と上腕骨頭の間(肩峰下スペース)で腱や滑液包が挟み込まれる状態を指します。

 

肩関節で、骨と腱板と滑液包が衝突するのがエクスターナルインピンジメントで、肩峰下インピンジメントとも呼ばれます。

 

 

主に挟み込まれる組織

・棘上筋腱

・肩峰下滑液包

・上腕二頭筋長頭腱

 

 

腕を上げる動作で、上腕骨頭が肩峰に近づくことでスペースが狭くなり、これらの組織が圧迫されて炎症や痛みが起こります。

 

 

原因

・肩甲骨の動きの低下

・ローテーターカフの機能低下

・肩峰下スペースの狭小化

・オーバーヘッド動作の繰り返し

・加齢による腱板の変形

・猫背などの姿勢不良

・生れつきの骨の変形

 

などがあげられます。

 

 

主な症状

・腕を横から上げると痛い

・60〜120°付近で痛みが出る

・肩の外側の痛み

・夜間痛


などです。

 

エクスターナルインピンジメントは、スポーツ選手だけでなく、一般の方にもよくみられる肩障害です。

 

 

インターナルインピンジメント

 

一方で、野球選手に多いのが、インターナルインピンジメントです。

とくにピッチャーに多くみられます。

 

インターナルインピンジメントとは、肩関節を外転・外旋した際に、上腕骨頭と肩甲骨の関節窩後上方の間で腱板が挟み込まれる状態を指します。

 

 

主に挟み込まれる組織

・棘上筋腱の後方

・棘下筋腱

・関節唇(後上方)

 

 

原因

・上腕骨の求心位がとれていない

・肩甲骨可動性低下

・腱板機能低下

・胸椎伸展不足

・体幹の柔軟性不足

・下肢の柔軟性低下

 

などがあげられます。

 

 

主な症状

・投球時の肩後方の痛み

・コッキング期での痛み

・球速低下

・コントロールの低下

・投球後の肩の違和感

 

日常生活では痛みが出ないことも多いため、発見が遅れることも少なくありません。

 

しかし、インターナルインピンジメントが長期間続くと、次のような障害につながる可能性があります。

 

・関節唇損傷(SLAP損傷)

・腱板部分断裂

・上腕二頭筋長頭腱炎

・肩関節不安定症

 

とくに、SLAP損傷は野球選手の肩障害として多く、インターナルインピンジメントと関連が深いとされています。

 

 

なぜ野球でインターナルインピンジメントが起こりやすいか

①投球による過可動域

野球の投球動作では、肩関節は非常に大きな可動域を使います。とくに問題になるのがコッキング期です。

この段階では肩関節は、

 

・外転 約90度

・外旋 約160〜180度

 

という位置になります。

 

 

この姿勢では上腕骨頭が前方へわずかに移動し、腱板後部(棘上筋後部や棘下筋)が関節窩後上方に接触しやすくなります。

 

つまり投球動作そのものが、関節内にストレスがかかりやすい動作なのです。

 

 

②肩内旋可動域低下

野球選手の肩でよく見られる特徴の一つに、肩内旋可動域低下があります。

これは、投球側の肩で内旋可動域が減少する現象です。

 

投球を繰り返すと、肩関節後方の筋肉や関節包が硬くなり、肩の内旋可動域が制限されます。その結果、肩関節の動きのバランスが崩れます。

 

内旋が制限されると、投球時に

 

・上腕骨頭の位置が前方へずれる

・腱板後部へのストレスが増加する

 

といった状態が起こります。

この状態が続くと、最大外旋時に腱板後部が関節窩後上方へ強く押し付けられ、インターナルインピンジメントが発生しやすくなります。

 

 

③後方関節包の拘縮

肩関節の関節包は関節を包む袋状の組織ですが、野球選手では投球の繰り返しによって後方関節包が硬くなることがあります。

 

後方関節包が硬くなると、

 

・上腕骨頭が前上方へ移動

・肩関節の滑り運動が乱れる

 

という状態になります。

その結果、外旋時に腱板後部が関節窩に接触しやすくなります。

 

 

 

④肩甲骨の機能低下

肩関節の動きは、肩甲骨の動きと密接に関係しています。

腕を上げるときには肩甲骨が、

 

・上方回旋

・後傾

・外旋

 

することで肩関節のスペースを保っています。

しかし、この動きが悪いと、肩関節の位置関係が崩れ、外旋時に腱板へのストレスが増加します。

この状態で繰り返し投球動作を行うと、インターナルインピンジメントのリスクが高まります。

 

 

まとめ

肩のインピンジメントは、肩関節の構造や身体の使い方が大きく関係する障害です

 

とくに野球選手では、投球動作による特殊な可動域や繰り返されるストレスにより、インターナルインピンジメントが起こりやすくなります。

 

肩の痛みを予防・改善するためには、肩甲骨の動き、体幹、下半身を含めた全身の連動を整えることが重要です。

適切なコンディショニングとフォームの見直しを行うことで、肩への負担を減らし、パフォーマンスの維持や怪我の防止を目指しましょう。

 

 

 

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