ダンサーの膝内側の痛み
こんにちは。
やまぐちスポーツ整骨院です。
「プリエをすると膝の内側が痛い」
「ジャンプの着地で膝がズキッとする」
「レッスン後になると膝の内側がジンジン痛む」
このような症状で悩んでいるダンサーはいませんか?
その痛み、『鵞足炎(がそくえん)』の可能性があります。
鵞足炎は、陸上競技、サッカー、バスケットボールなどをしている方に多いスポーツ障害として知られていますが、ジャンプやターン、繰り返しの屈伸動作を行うダンサーにも起こりやすいケガの一つです。
初めは「少し違和感がある」程度でも、無理をして踊り続けることで痛みが強くなり、思うように踊れなくなってしまうこともあります。
今回は、ダンサーの鵞足炎について詳しく解説していきます。
鵞足炎とは?

鵞足炎とは、「鵞足(がそく)」と呼ばれる膝の内側、お皿から斜め下に5~7cmほど下がった部分に炎症が起こる疾患のことです。
鵞足には、太ももの内側から伸びる3つの筋肉「縫工筋(ほうこうきん)」「薄筋(はっきん)」「半腱様筋(はんけんようきん)」の腱が付着しています。
この部分には、腱と骨が擦れないようにクッションの役割を果たす「滑液包」があります。
しかし、繰り返し負担がかかることで、腱や滑液包に炎症が起こり、膝の内側に痛みが現れてしまいます。
ダンサーはジャンプやターン、プリエ、片脚で身体を支える動作を何度も繰り返すため、鵞足部へ負担が蓄積しやすいという特徴があります。
ダンサーに鵞足炎が起こる主な原因
①オーバーユース(使いすぎ)
最も多い原因は、膝の使いすぎです。
発表会やコンクール、公演前などでレッスン時間が増えると、膝の内側へ繰り返し負荷がかかり炎症が起こりやすくなります。
特に、
- ジャンプを繰り返す振付
- ターンの練習量が多い
- 長時間のリハーサル
- 急にレッスン量を増やした
このようなタイミングで発症するケースが多くみられます。
②筋肉の柔軟性不足
ダンサーは柔軟性が必要ですが、使いすぎによって筋肉が硬くなっていることも少なくありません。
特に、
- ハムストリングス(太ももの裏)
- 内転筋(内もも)
- お尻の筋肉
- ふくらはぎ
が硬くなると、鵞足部への牽引力が強くなり炎症につながります。
柔軟性だけでなく、筋肉の疲労をしっかり取り除くことも大切です。
③ターンアウトや姿勢の崩れ
バレエやジャズダンスなどではターンアウトが重要になります。
しかし、
- 股関節ではなく膝から下や足先だけでターンアウトしている
- プリエで膝が内側に入る
- 骨盤が左右どちらかへ傾いている
このような状態では膝の内側へ負担が集中し、鵞足炎を引き起こしやすくなります。
④股関節や体幹の筋力不足
片脚でバランスを取る動作が多いバレエやダンスでは、股関節や体幹の安定性が非常に重要です。
お尻の筋肉(中殿筋・大殿筋)がうまく働かないと、膝が内側へ入りやすくなり、鵞足部へのストレスが増えてしまいます。
主な症状

鵞足炎では、主に次のような症状が現れることがあります。
- 膝の内側を押すと痛い
- プリエで膝の内側が痛む
- ジャンプの着地で膝の内側が痛む
- ターンやジャンプをすると膝がズキッとする
- レッスン後に膝の内側がジンジンする
特徴的なのは、膝関節そのものではなく、膝より少し下の内側を押すと痛みが強くなることです。
初期はレッスン後だけ痛みを感じる程度ですが、悪化すると歩くだけでも痛みが出たり、日常生活にも支障をきたすことがあります。
「踊れるから大丈夫」と無理をしてしまうダンサーも多いですが、
痛みをかばいながら踊ることで反対側の膝や股関節、腰へ負担が広がることも少なくありません。
違和感を感じたら早めにケアを始めることが大切です。
対処方法
①痛みを我慢して踊らない
炎症が強い時期は、まず膝への負担を減らすことが重要です。
症状が軽い場合であっても、ジャンプや激しい振付は控えるなど練習内容を調整しましょう。
②ストレッチ

鵞足炎では筋肉の柔軟性を保つことが非常に重要です。
特に、
- ハムストリングス
- 内転筋
- お尻の筋肉
- ふくらはぎ
- 股関節周囲
を中心にストレッチを行いましょう。
反動をつけず、ゆっくり呼吸をしながら30秒程度伸ばすことで、膝への負担軽減につながります。
③筋力トレーニング

ダンサーでは、膝だけでなく股関節周囲の機能が重要です。
特に、
- お尻の筋肉
- ハムストリングス
- 大腿四頭筋
- 体幹
を鍛えるトレーニングがおすすめです。
股関節が安定すると、プリエや着地時の膝への負担が軽減し、再発予防にもつながります。
ただし、痛みが強い場合は炎症を落ち着かせることを優先しましょう。
④フォームを見直す
鵞足炎はフォームの改善によって再発を防げるケースが多くあります。
例えば、
- 股関節からターンアウトできているか
- プリエで膝とつま先の向きが間違っていないか
- ジャンプの着地で衝撃をうまく吸収できているか
- 骨盤が安定しているか
などを確認してみましょう。
必要に応じて指導者や専門家にフォームを見てもらうこともおすすめです。
まとめ
鵞足炎は、ダンサーにも多くみられる膝の障害の一つです。
レッスン量の増加やジャンプ・ターンの繰り返しだけでなく、筋肉の柔軟性の低下、ターンアウトの崩れ、股関節や体幹の機能低下など、さまざまな要因が重なって起こります。
痛みを我慢して踊り続けると症状が悪化し、回復までに時間がかかるだけでなく、本来のパフォーマンスを十分に発揮できなくなることもあります。
日頃からストレッチや身体のケアを行い、正しいフォームを意識することが、鵞足炎の予防と再発防止につながります。
膝の内側に違和感や痛みを感じたら放置せず、早めに適切なケアを行うことことで、
痛みを長引かせることなく、安心してダンスを続けられる身体づくりにつながります。
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