アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎とは？

アキレス腱は体の中で最大の腱であり、左右の腓腹筋とその奥にあるヒラメ筋(ふくらはぎの筋肉)と踵の骨を繋ぐ組織になります。

アキレス腱の役割は腓腹筋・ヒラメ筋の力を踵の骨に伝えることです。

アキレス腱が存在することで歩行・ジャンプ・走る・つま先立ちなどの動作が可能となります。

アキレス腱の長さは約１０～１５ｃｍあり厚く固い為、足の着地の時の衝撃にも強く数百㎏以上の衝撃に耐えることが出来ると言われている組織です。

しかし、スポーツによる走る・跳ぶなど大きなストレスがアキレス腱または周辺の組織にかかり続けるオーバーユース(使いすぎ)により炎症や損傷が引き起こされます。

この時、アキレス腱自体に発症することを「アキレス腱炎」、アキレス腱を含めた周囲の組織まで発症することを「アキレス腱周囲炎」と呼びます。

アキレス腱の周辺には他の腱には見られない組織が存在します。
まずアキレス腱の表層には「パラテノン」という膜に覆われています。

アキレス腱自体の血液は乏しいのに対してパラテノンは血流が豊富でアキレス腱との間に組織液が貯留しており摩擦を防ぎアキレス腱がスムーズに動く為の役割を担っています。

更にアキレス腱の深部には衝撃を和らげるクッションの役割を担っている「滑液包」やアキレス腱の力を最大限に発揮する、アキレス腱に血流を供給する役割を担っている「脂肪体」などがあります。

アキレス腱は日常的にも負担がかかる部位である為、より効率よくそして負担を軽減するために様々な組織が集まっています。

しかしこれらの組織もスポーツによる動きの繰り返しによって、大きなストレスを受け続けると微小損傷や炎症を引き起こし、症状が悪化するとアキレス腱の断裂に至ることもあります。

症状が悪化するとスポーツの練習が不可能になるだけではなく、日常生活にも支障をきたすことがある怪我です、違和感、少しでも痛みを感じた時点で早急な処置が必要となります。

アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎の原因とは？

アキレス腱炎・周囲炎は主に繰り返しの負荷がかかることで発症しますが、アキレス腱にかかる負荷にはいくつか種類があります。

・ふくらはぎの筋肉の過緊張、柔軟性の低下によりアキレス腱へのストレスが増加する
・足関節や足趾の関節、足裏の筋肉の柔軟性低下により着地の衝撃のストレスがアキレス腱にかかりやすくなる
・トレーニングやスポーツにより組織が耐えることが出来る限界を超えた負荷がかかり続ける
・靴の摩耗によりアキレス腱へのストレスが増加する

などがあります。

基本的にはアキレス腱に繋がるふくらはぎの筋肉や周の関節の動作不良により今まで以上のストレスがアキレス腱にかかることにより発症します。

アキレス腱へのストレスが増加すると必然的に周辺の組織との摩擦などのストレスも増加し周囲炎を発症します。

アキレス腱炎・周囲炎では当然、痛みが出ている患部の処置は必要にはなりますが、まずはアキレス腱へのストレスがなぜ増加しているのか原因を探る必要があります。

例え一度痛みが消えたとしてもその原因が改善されていない限り同じストレスがかかり始めると再発することが多くみられます。

一般の方を含め
・テニス
・サッカー
・ソフトボール
・マラソン
・トランポリン
・バレーボール
・バスケットボール
・新体操
・バトントワリング
・ラグビー
・アメフト
・陸上競技

などスポーツでアキレス腱炎・アキレス腱周囲炎にお悩みの方に来院して頂いております。