バレエダンサーの転子滑液包炎
こんにちは。
やまぐちスポーツ整骨院です。
バレエダンサーには、股関節周りの痛みを抱える人が多いです。
股関節といっても、内側が痛い、外側が痛いなど場所はさまざまです。
また股関節に支障がでることで、その周辺が痛むという方もいます。
そこで、本日は「転子滑液包炎」について、詳しく解説したいと思います。
転子?滑液包?
どちらも聞きなれない言葉ですよね。
ひとつずつ見ていきましょう。
転子滑液包とは?
まずは、転子滑液包の場所ですが、大転子の位置はわかりますか?
骨盤の横、太ももの横の出っ張っている部分がちょうど大転子にあたります。
太ももの骨を大腿骨といいますが、その骨の一番出っ張っているところです。
この出っ張り具合は、それぞれ骨格によって異なりますが、女性の方が骨盤の形上、出っ張っている傾向にあります。
その大転子のすぐ外側には、3つの滑液包が存在します。
この滑液包は、潤滑性の液体が入った袋で、クッションの役割を持ち、大転子と、大腿筋膜張筋、腸脛靭帯、殿筋群(中殿筋・小殿筋の腱)の摩擦を減らす働きをします。
「転子滑液包炎」は、この滑液包と、大転子に付着する筋肉や腱に炎症が起きた状態です。
転子滑液包炎の症状
主に、出っ張りの部分が痛みます。
初期の頃は、ピンポイントで鋭い痛みが生じることが多いですが、しばらくすると痛みの範囲が広がり、疼痛が続くようになります。
押すと、少し腫れている感じがすることもあります。
横向きで寝転ぶと大転子が床に当たるため、圧迫されて痛みが出ます。
また、階段の上り下りや、椅子から立ち上がる際にも痛みが生じやすいです。
長時間歩いていると、徐々に痛みが増してくるということもあります。
バレエの動作においては、
デヴェロッぺ・アラセゴン、デリエール
ロンドゥジャンブ・アンレール
グランバットマン
などで痛みが出るケースが多いです。
また、5番ポジションに締める際に痛みが出ることもあります。
転子滑液包炎の原因
バレエでは股関節を外旋・外転させる動きが多く、股関節を大きく使います。
そのため、大転子周囲に過度な摩擦や牽引力がかかりやすいのです。
具体的に、いくつかの原因をみていきましょう。
①過度なターンアウト
股関節の構造以上に外旋を強制すると、中殿筋、小殿筋腱、腸脛靭帯、大腿筋膜張筋などが大転子に強く擦れてしまいます。
無理やり5番ポジションに入れようとすると、捻れが加わり、大転子付近の腱や筋肉が過度に引っ張られることになります。
また、プリエで膝が内側に入りやすい場合、外側筋群に過剰な張力がかかるため、滑液包への負荷が大きくなります。
②体幹や軸のブレ
グランバットマンなど、脚を大きく振り上げる動作では、体幹と軸の安定性が必要となりますが、脚を下ろす際にコントロールする力が弱いと、「ガツン」と大転子に摩擦が集中してしまいます。
その結果、外転筋と腸脛靭帯に強い緊張が走ります。
また、体幹が弱いと軸脚の外側、ちょうど大転子付近に体重がかかりやすくなってしまいます。
③筋肉のアンバランス
どうしても外側の筋肉の方が力が入りやすいため使いがちですが、外側の筋肉に頼りすぎていると、大腿筋膜張筋や腸脛靱帯が硬くなってしまいます。
これらが硬くなると、滑液包への摩擦が増えます。
また、内転筋が弱いと、内に集めてくる力が足りず、外に体重がかかってしまいます。
転子滑液包炎の改善法
①優しくマッサージ
大転子周囲に負担がかかりにくくするためには、太ももの外側の筋肉の柔軟性を出す必要があります。
膝の外側からお尻の外側にかけて、手のひらを当てて少し圧をかけながら、皮膚を動かすようにして、優しくマッサージします。
あまり強い刺激だと、余計に筋肉や腱が固まったり、痛みが悪化しててしまう可能性があるため注意しましょう。
また、ピンポイントで痛い場所があれば、その場所を「10〜15秒ほど圧をかけてゆっくり離す」というのも効果的です。
②大腿筋膜張筋と腸脛靱帯のストレッチ
マッサージに加え、さらにストレッチもできると良いですが、人によってはストレッチすると痛みが出てしまうこともあります。
その場合は、やめておくか、必ず痛みのない範囲でやってください。
仰向けになり、膝を立てた状態で、両膝をつけたままゆっくりを左右に倒します。
これを左右交互に10回程度行うことで、大腿筋膜張筋や腸脛靱帯がストレッチされます。
滑液包の痛みが強い場合は、このストレッチでも痛みが出てしまうと思いますので、そういった方は、無理のない範囲でのマッサージにしておきましょう。
③中臀筋、小臀筋の強化
転子滑液包炎では、中臀筋腱や小臀筋腱が硬くなっていることが多いですが、それは中臀筋や小臀筋がうまく働いていないからというのもあります。
中臀筋、小臀筋は、骨盤の安定性に必要な筋肉です。
とくに、片足で立つ際には大きな役割をします。
筋肉が弱いと、その筋肉の両端の腱の部分が硬くなりやすくなります。
その結果、滑液包周辺の腱の牽引力が高まってしまい、摩擦が大きくなります。
軸脚に乗るときにも、中臀筋や小臀筋が効いてくると、しっかり骨盤を支えられるため、滑液包にかかる負担を軽減できます。
④体幹トレーニング
グランバットマンなど、素早い動きの際、いかに体がブレないかも大切です。
上半身が弱いと、脚への負担は大きくなります。
下半身の力だけで動こうとすると、どうしても外側の強い筋肉で動いてしまうため、そうなると滑液包にも過剰に負荷がかかってしまいます。
体幹が安定し、しっかり引き上げられている状態で動作を行うことで、脚が軽くなります。
上半身と下半身の連動がうまくできるよう、動きのあるトレーニングの中で体幹を鍛えていくこともおすすめです。
まとめ
本日は「転子滑液包炎」について解説しました。
痛みのある状態が当たり前なってしまう前に、できるだけ早い対処をしていきましょう。
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