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・立ち上がるときに膝が痛む
・関節がこわばる
・動き始めの動作で膝が痛む
・正座がしにくい
・階段の上り下りで膝が痛む
・膝に水がたまる
変形性膝関節症とは、膝の関節の軟骨が摩擦などですり減ったために、膝に強い痛みが出る慢性的な病気のことです。初期のころは歩き始めに痛みが出ても、休息すれば痛みが治まる程度だが、基本的に年齢を重ねるごとに病状が悪化し、重度になると安静にしていても痛みが取れず、歩くことすらも難しくなります。
原因としては、加齢のほかに、肥満、O脚、閉経後のホルモンバランスの変化などがあります。また、布団の上げ下ろしや正座・あぐらによってひざに負担をかけやすい日本の生活習慣と、軟骨がもろく傷みやすいといった遺伝的因子も関係しているといわれています。男性よりも女性に多いことも特徴に一つです。
変形性膝関節症は、原因がはっきりしない一次性のものと、原因が特定できる二次性のものに分けられます。そのうち多くを占めるのは、筋肉の衰えや肥満などのさまざま症状が複雑に絡み合って発症する一次性変形性膝関節症です。一方、二次性変形性膝関節症は、ケガや病気、関節リウマチ、関節構造の損傷などによって引き起こされます。
加齢
膝の関節は、骨と骨の間にある軟骨がクッションのような役目をして、スムーズに動くようになっています。ところが、加齢とともに軟骨がすり減ると滑らかな動きが阻害されるため、炎症が起こって痛みが生じてしまうのです。磨耗した軟骨は再生しないので、早い段階で進行を食い止めることが大切です。
筋肉の衰え
足を支えている筋肉が衰えると、からだの重みを受ける部分が不安定になり、膝関節への負担が大きくなります。膝が痛いからといって動かさないでいると、ますます筋肉が衰えて、さらに痛むという悪循環に陥ってしまいます。適度な運動を心がけましょう。
肥満
体重が増えると、それだけ膝への負担が大きくなります。中高年になると、運動不足や食べ過ぎで内臓脂肪がつきやすく、体重が増加しやすいので注意が必要です。食事の改善や適度な運動を取り入れて、体重をコントロールしましょう。
О脚・Ⅹ脚
O脚やX脚などの脚の変形は、膝への負担を大きくし、痛みが起こる原因になります。特に日本人に多いのがO脚です。O脚は両膝の間の隙間が開くため、体重のかかる場所が偏り、膝関節の内側に大きな負担をかけてしまいます。かつてはO脚やX脚は体質だから治らないと考えられてきましたが、最近ではさまざまな矯正グッズや治療法があります。
膝関節の損傷
激しいスポーツや転倒などによる半月板損傷や靭帯損傷も膝の関節を傷つけて、変形性膝関節症の原因となります。若いときに半月板や靭帯を痛めると、そのときは治っても、中高年以降に変形性膝関節症などの膝の病気になりやすいといわれています。
変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症は人によって症状の出方や進行具合が異なります。変形が進んでいても、あまり痛みがでていない人もいれば、強い痛みがあってもあまり変形が見られない人もいます。
初期の症状
“膝に違和感を感じる“のが、最も早く現れる症状です。
この段階では、膝に負担がかかると痛みがでることはあっても、痛みが長続きすることはありません。
中期の症状
徐々に進行し、変形が進んでいきますと、痛みがより強くなってきます。
ここまでくると、膝の曲げ伸ばしが難しくなり、正座をしたりしゃがみ込むと痛みを感じます。また、階段の上り下りもつらくなります。
炎症が出てくると、膝に水がたまったような、むくみが出てきます。
末期の症状
末期段階では、痛みが強く日常生活に支障が出てくるようになります。
ここまできますと、膝の変形もかなり進んでいますので、外から見ても関節の変形が目立ちます。
改善法
変形性膝関節症を発症したら、膝の軟骨の退行を防ぐことで、可能な限り進行を食い止めることが第一とされています。関節が変形し始めた初期の段階では、痛いからといって体を動かさないでいると筋肉が落ちてさらに病気が進行するため、適切な靴を履いた上で平らな場所でウォーキングをする、入浴などをしてひざを十分温めた後にひざを伸ばすといった運動療法と温熱療法が有効です。肥満は膝の痛みを進行させる大きな要因になるため、太り過ぎの場合は体重の5%を目安に減量の指導などが行われることもあります。
予防
正しい歩き方を習慣づけると、お尻の筋肉である大臀筋と、股関節を閉じる働きを担っている筋肉である内転筋を鍛えられるので、ひざの痛みの予防になります。
背筋を伸ばし、歩幅を大きく取るようにして、ひざが自然と伸びるようにかかとから着地する歩き方をするように心がけてください。また、大臀筋、内転筋、太ももの前の筋肉である大腿四頭筋を、簡単なストレッチで鍛えることも有効。さらに、正座やあぐらといったひざに負荷をかける座り方を避け、肥満であれば減量をすることも変形性膝関節症を防ぐために重要なポイントです。
大殿筋
哺乳類の殿部に存在する殿筋のうちの1つで、その名の通り殿筋の中で最大の筋肉です。表皮から見ると大殿筋の下に中殿筋、その下に小殿筋が存在します。ヒトは直立二足歩行をするため、四足歩行のサルなどと比べても大殿筋が発達しています。作用は股関節の伸展や外旋を行います。起始は浅部と深部に分けられていて、浅部は腸骨稜、上後腸骨棘、仙骨および尾骨から起こり、深部は後臀筋線の後ろの腸骨翼、仙結節靭帯および中殿筋の筋膜から起始し、上部は腸脛靭帯で終わるが、下部は殿筋粗面で終わります。なお、小殿筋と中殿筋は上殿神経による支配を受けているのに対して、大殿筋は下殿神経による支配を受けています。また、大殿筋の深部には坐骨神経が走行しています。
内転筋
股関節を閉じる動きを「内転」といい、その動きを担っている筋肉を総称して「内転筋群」と言います。
内転筋群は内ももに沿うように走行しており、大内転筋、小内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、恥骨筋があります。
どれも股関節の内転に作用する筋肉ですが、起始停止の位置の多少の違いにより働きが少しずつ異なります。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、下肢の筋肉のうち、大腿骨に繋がる筋肉である大腿筋のうち、大腿骨を挟み四方に存在する筋肉の総称です。全身の筋肉の中で、最も強くて大きい筋肉で、作用は膝関節の伸展です。
大腿四頭筋には大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋が含まれます。
変形性膝関節症では骨棘(関節面の軟骨が肥大増殖し、次第に硬くなって骨化して「とげ」のようになったもの)や水腫によって痛みを感じるケースが多いです。
どちらに対しても当院ではマイオパルスを用いて骨細胞の修復や水腫の再吸収を促し、身体に負担の少ない方法で症状を緩和していきます。
歩行時や階段の上り下り、または安静時にも痛みが強く出ている場合は早期回復コースで1度の施術時間を長めに確保します。(早期回復コースはスポーツによるケガ以外でも状態に合わせて施術可能です)
関節内部の炎症や痛みに対してはアキュスコープで鎮静することで痛みの改善ができます。
変形性膝関節症は症状や段階によって治療頻度と期間が異なりますので、いつでもお気軽にお問合せください