1 2
「タナ」とは膝の内側(お皿の内側)に存在する滑膜状のヒダ(滑膜ヒダ)のことを言います。
タナは膝蓋骨(お皿)と大腿骨(太ももの骨)の間に存在しておりその形状が棚のように見えることから「タナ」と呼ばれています。
滑膜ヒダは関節を包む袋(関節包)が形成される過程で発生する為、幼児では基本的に形成されます。
成長するにつれて組織が出来ていく過程で無くなっていきますが、成人でも5割以上の人に滑膜ヒダは消失せず残ると言われています。滑膜ヒダは大きな、長さ、質など形状に個人差があり、存在しているからといって必ず障害が起きる訳ではありません。
しかし、タナ障害という疾患が存在するように時には「タナ」へのストレスによって怪我に発展することがあります。
特にタナ障害はスポーツ障害の一つであり、運動時のストレスにより発症するケースが多くみられます。
スポーツではジャンプ・ダッシュ・蹴る・バイク(自転車)をこぐなど膝の屈伸運動が激しい競技ではリスクが高く、何度も繰り返しのストレスがかかるオーバーユース(使いすぎ)で発症することがほとんどです。
中には接触により直接膝への大きなストレスがかかることで発症することがありますがほとんどがオーバーユースによるものです。
タナ障害は発症初期から痛みが強いことは少なく、症状が進行するにつれて、痛み・腫れ・熱感などが強く現れ日常生活の動作でも支障をきたすことがあります。
基本的には手術はせず保存療法となりますが、滑膜ヒダが大きすぎる場合、症状が改善せず悪化していく場合、膝の関節がロックされる場合など膝関節の機能自体に支障が出るときは手術で摘出することがあります。
タナ障害は発症し悪化するとスポーツの復帰までに期間が必要になる事もある為、違和感や少しでも痛みが出た時点で早急な処置が必要になります。
タナ障害の発症の原因となるのは大きく分けると「オーバーユース(使いすぎ)」、「打撲などの直接的外力」の二つがあります。
スポーツでは選手同士の接触や転倒など直接膝に負担がかかることがありますが、
タナ障害も直接的ストレスがタナにかかることで炎症・負傷し発症することがあります。この場合、ストレスはタナだけにかかることは少なく、周囲の骨や筋肉・靱帯など他の怪我も合併することがほとんどです。
タナ障害の原因として多いのは前述した通り「オーバーユース」です。
特にスポーツ時の膝の屈伸運動(ジャンプ・蹴り・シュートなど)をきっかけに発症することが多くみられます。オーバーユースでは
・膝関節の可動域の低下
・膝の屈伸運動に関わる筋肉の疲労蓄積、過緊張
・足関節、股関節の可動域の低下
などが原因として挙げられます。
もともと先天的に「タナ」に厚みがある場合はストレスが当然かかりやすくなりますが、オーバーユースでは膝の動作不良によりタナにストレスがかかり続けることで発症します。
タナに負担がかかり続けると炎症・損傷により痛みはもちろん、肥厚(負担によりタナが分厚くなる)により膝の屈伸時に他の組織と摩擦が起きることで「コキッ、コキッ」というような音が鳴り、引っ掛かり感が出てきます。
症状が悪化すれば日常生活の動作でも痛みが出るうえに、力が入りにくくなる脱力感などもあらわれるため、スポーツでのパフォーマンス低下は避けられない状態になります。
当院では
一般の方を含め
・バスケットボール
・サッカー
・ラグビー
・マラソン
・陸上(特に長距離)
・フットサル
・野球
・ソフトボール
・ダンス
・社交ダンス
・クラシックバレエ
・格闘技
・テニス
・チアダンス
・チアリーディング
・バレーボール
などスポーツでタナ障害にお悩みの方に多く来院して頂いております。