こんにちは。当院の管理栄養士の広瀬 陽香(ひろせ はるか)と申します。
当院には野球をしている患者様も多く来られています。そこでよく体重増加についての質問を頂くためお伝えしようと思います。
今回の記事の野球部というのは中学生・高校生のジュニアアスリート向けになっています。体重が増えなくて困っている野球部に解決策の1つとしてお伝えします。
野球部の1日は過酷だ
どこの野球部も多くは朝練習が存在し、また夜も遅くまで練習しています。
必要なエネルギー量(食事量)は非常に多いはずなのに、それらを十分に摂取できる時間が少ないという現実があります。
その現実の中で“いかにして自分の体に必要な食事を摂取していくか”というところが大きな問題です。
朝食の少なさが体重増加の妨げになる
「食べているのに増えない!」という選手はまず自分の食事を思い返してみて下さい。
本当に、各食全てしっかり食べられていますか?
経験談として、「自分はしっかり食べている!」という選手によくよく聞いてみると、それは昼食・夕食に限られた話で、朝食はパン1枚と牛乳のみ、菓子パン1個のみなんてこともありました。
これでは必要な食事量には到底追い付きません。

仮に、1日に必要なエネルギーが4000kcalだと単純に3食で分配した場合、1食約1300kcalになります。
朝食➡900kcal
昼食➡1200kcal
夕食➡1400kcal
補食➡残りの500kcal(練習前後とるといったように分けます。)
合計4000kcalになります。
しかし、いくら分配しているとは言え1食でそれなりの量はとらなければなりません。
朝食➡300kcal
昼食➡1200kcal
夕食➡1400kcal
補食➡500kcal
合計3400kcalになります。
と朝食以外を同様にとっていると、トータルで見た時にその開きは‘600kcal’と大きなものになります。
‘600kcal’は、20代成人女性が一回の食事で必要とされる量です。

↑約600kcalの食事
これを既にいっぱいの食事計画のどこかで補えますか?「これはきつい…」と思いませんか(-_-;)
このように朝食が極端に少ない日々を繰り返していると当然、体はエネルギー不足になります。そうなると体を大きくするどころか体重が減っていってしまうなんてことになってしまうこともあります。
自分が普段食べている朝食は昼や夕食に比べ極端に少なくないか確認してみましょう。
1回で食べられないなら分ければ良い
朝食量が少なかった場合、増やさなければいけません。
しかしここで「朝は早く食欲が出ない」「朝は時間がない」という朝ならではの問題が出てきます。朝から白米500gを元気に食べられるのであればそれで良いのですが
そうでない場合、無理に詰め込む必要はありません。
「250gで良い」のです。
朝練習の後に残りの250gを食べて補うようにすると良いです!1回で食べられないものは2回・3回と分ければ良いのです。
朝早くて夜遅い、運動量の多いジュニア期の野球部は、分けるという考えがあると少し、気持ちが楽になりませんか?😊
朝食はちょっとした工夫で食べられる
私が寮で勤めていた時も朝に食欲がない選手はいました。
朝は水分が出ていって脱水状態で食欲がわいてこないこともあるため
- 汁物と一緒に
- 雑炊やお茶漬け
というように、水分を足すと食べられる場合があります。
また、おにぎりにすることで食べやすくなったり…
中身の具を好きなものにするだけで、食欲は上がってくることもあります♪脳(気持ち)と食欲は関係があるんですよ😊
補食を利用し体重増加へ繋ぐ
上でもお伝えしたように、野球部の1日で必要なエネルギー量は相当多く、これらを3食だけで摂り切ることは難しいです。
そこで、補食を上手に活用することで必要な量に近づけることができます。
- 3食で摂り切れないエネルギー・栄養素の摂取
- 練習や試合など力をピークにもってきたいところに合わせる ための食事のとり方です。
- 朝練後
- 午後練習前
- 練習後
といった3食の間に入れていきます。
3食とあわせて1日で5-6食になるように補食を取り入れてみるのはどうでしょうか?
野球部の補食には主食と主菜のセット
練習・試合前は基本的に炭水化物とビタミン類を中心に摂れることが望ましいです。
炭水化物は体を動かす一番のエネルギー源、そしてビタミン類は炭水化物をエネルギーに変える手伝いをしてくれます。
具体的な例としては、おにぎりの中にビタミン源に主菜になるような鮭フレークや、とりそぼろなどしっかりおかずを入れることです。
ただし、夏場は食中毒の恐れも増すのでエネルギーゼリーでの代用も検討下さい。
冬場も油断はできないので、しっかりさましなるべく水分が多くならないような工夫も必要になってきます。
パン派であればサンドイッチも、卵やハム、野菜が入っているものであれば、炭水化物とビタミン源を補うことができます。
補食には主食+主菜(もしくは乳製品)でとるということがポイントになります★
個人の食環境・これまでの食歴・体格・胃の容量はバラバラです。そのため一概に全員にこれという食事アドバイスはないと思っております。
もし、個人で見てほしいなどあれば一度ご連絡下さい。
アスリートの食事の基本についてはこちらのURLからよろしれば読んでみて下さい!
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